Winning in the Pool

Myrtha Pools and A.P.C.
Fukuoka 2023 Japan

そこにはかつて、数多くのプールがありました。

大会に適したプール施設のない都市に世界水泳選手権が開催されることは問題があるように思えますが、2023年福岡大会が直面してきた困難な状況はその比ではありません。

当初2021年のFINA世界水泳選手権大会の開催準備を進めていた福岡市では、コロナウイルスの流行により計画遅延を余儀なくされ、最初に2022年の春へ、さらに2023年の夏へと開催が変更されていますが、開催準備は万全です

当該大会のプール設備サプライヤーであるミルタと長年のパートナーである株式会社アクアプロダクト(以降、APCという)は現在、困難な状況を経て、待ちこがれた2023年開催の世界水泳選手権会場の準備を進めているところです。

2023年開催予定の選手権は、世界でも技術的に最も優れた5つの特設プールにて開催されます。

ミルタ+アクアプロダクト

1970年代、APC(当時の株式会社OTTO)は、プール事業部を組織し、特に学校向けプールの販売を開始しました。1995年、APCは日本でステンレスプールを製作するのに最適な製品の一つとしてミルタと出会いました。それ以来、APCとミルタは協力して、日本国内でトップレベルの競泳用、トレーニング用、学校用、レジャー用のプール施設を提供してきました。

APCはミルタプールの販売代理店としては長い歴史を持ち、日本国内の学校用プールから納入をスタートしました。また、APCは、ミルタプールが日本市場に適するようフィードバックするという重要な役割も担っています。日本の施設にとって最も重要な課題のひとつは、プール構造の耐震性強化でした。

 

 

ミルタとAPCは、愛媛で開催された国民体育大会のために製造した50m公認プールをはじめ、日本で数多くのプールを製造販売してきました。2017年に愛媛で開催されたこの国民体育大会は、ミルタを日本市場における国際的な水泳競技大会や大型プール案件に広げる転機となりました。この大会後、競技用プールは解体され、愛媛県内の内子町の町民プールとして恒久的に移設されました。

この大会レガシーを県内に残し、水泳競技の発展に貢献することになります。この再利用の概念は、東京で開催された国際的な水泳競技大会にも採用されました。実際、この大会で使用された3つの特設プールは、現在福岡世界水泳に配備され、その後は近隣学校やその他施設に移設される予定です。このプールは、建設から、運営、解体、再利用までを可能とする特設プールであり、クリエイティブでリーズナブルなソリューションを提供するミルタ技術の一例です。

福岡のプール

FINA世界水泳選手権は、オリンピック以上に競技種目が多く、水泳界でも特徴的な大会です。福岡大会では、6つの水泳競技が行われ、150以上の個人・団体競技が予定されています。各競技は複数の会場で行われ、ミルタの5つの特設プールで多くの競技が開催されます。

APCとミルタは、この大会で競泳、水球、アーティスティックスイミングのための5つの特設プールを設置する予定です。このプロジェクトは、新たな技術の導入から地震発生に備えた設置方法まで、関係者間との打ち合わせによって建設が進行しています。

この大会で使用されるプールは、すべてミルタのトップレベルのプール技術を採用しています。まず、水深3mの競泳プールでは、競泳だけでなく、アーティスティックスイミングの競技も行われる予定です。また、水球専用のプールもあり、80以上の試合が繰り広げられ、世界の男女の強豪チームが金メダルを目指して競い合います。

他の3つの特設プールは、大会期間中、選手やチームのトレーニング用に使用され、全員が最高の状態で競技に臨めるよう、大切なウォームアップの場を提供します。

 

世界水泳選手権大会終了後、メインの競泳用プールとウォームアッププールは会場に残され、メイン競技に続くイベントであるFINAマスターズ世界水泳選手権大会に使用されます。すべての競技は4つの会場で行われます。

 

マリンメッセ福岡 ホールA   競泳・アーティスティックスイミング
マリンメッセ福岡 ホールB 水球競技
福岡県営プール 飛び込み
シーサイドももち海浜公園 ハイダイビング、オープンウォータースイミング

 

マスターズ終了後、2つのプールは解体され、福岡市内の小中学校の常設プールとして生まれ変わる予定です。これは、ミルタの特許取得済みでもある「ステンレスパネルシステム」だからできるもう一つの素晴らしい例です。

優れたエンジニアリング

– モジュール式でキットのようなプールシステムには、高い水密性を誇ります。長寿命でメンテナンスも容易なため、コンクリート製プールよりも優れています。

柔軟性

-ミルタのプールは、どんなスペースでも事実上どんな形でも建設することができます。テニスコートやスタジアムに特設プールを作り、既存の座席を利用することもできます。

柔軟な設置工程

– 私たちが作るすべてのプールは、イタリアで精密に製造されています。すべての工程を管理することで、案件の厳しい納期に対応することが可能です。案件全体のスケジュールの中で、どのタイミングでも設置が可能であり、設置スペースの閉鎖空間でも可能です。

経験

– 60カ国で年間1500基のプールを建設してきた私たちの実績は、(これは1日に4基以上ともいえます)すべてを見て(そして解決して)きたことを意味します。
だからこそ、私たちはFINA(国際水泳連盟)のパートナーとして信頼され、世界中の20以上の水泳連盟の推薦企業となっているのです。日本市場向けにAPCのようなパートナー関係に至ったことも、数十年にわたるコンサルティングの経験と、学校、競技用、高層ビル、大規模なウォーターパーク等数々のプールを建設してきたことを意味します。

パンデミックへの対応

当初2021年に予定されていた大会は、世界的なパンデミックの影響により再スケジュールされ、2023年に大会が延期されましたが、我々にとっては単に設置が遅れただけでした。

現在は、2023年1月に設置が開始される予定です。建設会社(株式会社大林組)、福岡OC、長年のパートナーであるAPC、そしてもちろんミルタプールは、検疫や安全ガイドラインを乗り越え、現地での全ての規制に則って協力して活動しています。